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専門外来のご案内

熱傷再建外来

熱傷再建外来について

やけど(熱傷)後のひきつれ(瘢痕拘縮)や傷あとの盛り上がり(肥厚性瘢痕・ケロイド)のご相談に応じております。 やけど後のひきつれ(熱傷瘢痕拘縮)の治療は、さまざまな方法が行われていますが、時期やできた場所や拘縮の程度によって最適な治療法が異なります。
熱傷再建外来では、患者さん個人個人にあった最適な治療法をご提案させていただきます。遠方からみえる患者さんも無理なく受診できる体制を整えております。お気軽にご相談ください。特に、熱傷後に生じる高度な瘢痕拘縮を有する多くの重症患者さんを多く治療してきた経験があります。
熱傷後の盛り上がった傷あとである肥厚性瘢痕やケロイドや、目立つ傷跡については、ケロイド・傷あと外来でも対応させていただいております。

熱傷後瘢痕拘縮について

熱傷を受けた部位が手、肘などの関節部や顔面・頸部などに掛かっていた場合には、傷跡が治ってできた瘢痕がひきつれ(拘縮)を起こし、関節の動きを制限してしまったり、目や口が閉じづらくなることなど、機能制限を起こしてしまうことがあります。 このような場合は、手術治療が必要とされます。手術方法は、ひきつれをジグザグに形成する(Z形成術)などの一般的な方法から、植皮や各種局所皮弁、遠隔皮弁、遊離皮弁等から症状に応じた適切な方法をご提案させていただきます。

やけど(熱傷)とは?

1. やけど(熱傷)の原因

やけど(熱傷)とは、熱湯・油・火炎などの熱いものが皮膚や粘膜に接触してしまい、障害が起こってしまうことです。 温度が高いほどやけどの程度はひどくなりますが、湯たんぽによる低温やけどなどは温度が低くても長い時間接してしまうことが多く、より深いやけどになることもあり注意が必要です。

2. 原因別の分類

火災によるもの、熱湯によるもの、過熱蒸気によるもの、電撃によるもの、化学薬品によるもの、湯たんぽ(低温熱傷)によるものなどがあり、その原因を把握することで重症度の判断材料となります。

3.熱傷の深さ(深度)による分類

1) I度熱傷

表面が赤くなっているだけで、やけどが表皮内にとどまるものです。1週間程度で治癒し、跡を残さないものです。

2) II度熱傷

水疱ができたものはⅡ度以上のやけどで、以下の2つに分類します。

a. 浅達性II度:真皮の浅い層まで達するもので、水疱の下がピンク色をしています。痛みがあり、2週間程度で治ります。

b. 深達性II度:真皮の深い層まで達するもので、痛みがありません。表面の壊死組織がとれ、治るまで3-4週間かかります。盛り上がった傷跡を残すことが多く、です。

3) III度熱傷

皮膚全層を越えて、脂肪や筋肉までやけどが達するものです。蒼白色を呈し、ときに黒色(炭化)を呈します。皮膚が欠損してしまうので、植皮などの治療が必要となってきます。

4. 重症度分類

おおよその目安として片方の手のひら全体で体表面積の1%と計算します。一般的にII度30%以上、III度10%以上は、集中治療が必要となり救命センター等での治療が必要となります。II度15%以上、III度2%以上は入院治療の適応であり、それ以下のものでは、通常は外来通院での加療が可能ですが、顔面、手など特殊部位での熱傷は、入院加療が必要となる場合もあります。

熱傷の治療について

1. 保存的治療

浅達性II度熱傷までは、洗浄、消毒、軟膏療法などで保存的に治療できますが、ある程度の範囲以上の深達性II度〜III度熱傷は、皮膚移植などの手術を必要とすることが多いものです。

2. II度熱傷の治療経過

熱傷を受けた部分の皮膚に水疱形成を伴うとII度熱傷になります。通常、小範囲をお湯などでやけどした場合は、流水で10分〜20分冷やしてから、来院されるようにしてください。できた水疱は破らないようにした方が、良いでしょう。病院に来られる場合にも、氷嚢等で適宜、患部を冷やしながらいらしてください。
病院では、傷口を拝見して適切な治療を行います。通常、局部の洗浄、消毒、軟膏処置などを行わせていただくことが多いと思われます。必要な場合は、化膿止めや痛み止めを処方いたします。病院から帰られた後も、1-2日間は、患部を適宜冷やした方が痛みが和らぎます。やけどが浅い場合は、通常4-5日くらいで、水疱が乾いてきます。その場合、水疱は自然に取れてきますので、無理に剥がさないでください。水疱が、10-14日くらいで、自然に剥がれピンク色の上皮化した皮膚ができていればやけどが浅い場合です。
やけどがやや深い場合は、水疱が剥がれた後に上皮化がなく、黄色い壊死組織がついています。その場合に治療を継続し、軟膏治療やはさみ等で壊死組織を取っていく必要があります。上皮化が完成するまで、通常3-4週間かかり、ひきつれや盛り上がった傷跡になることがあります。 熱傷の深さを、はじめから正確に診断することは困難で浅い部分と深い部分が混在する場合もあります。途中で感染を伴った場合、やけどが当初の予測より、深くなる場合もあります。最近、熱傷に対して安易に閉鎖療法を用いる施設がありますが、場合により感染のリスクが増す場合がありますので、注意が必要です。

3. 手術する場合

明らかなIII度熱傷の場合、II度深達性熱傷が大きい場合や手、顔面などの特殊部位に掛かっている場合には手術適応となります。 手術は麻酔下に専用のカッターで壊死組織を削り取り、正常組織を出した後、皮膚を採取する器械(デルマトーム)で取った皮膚片を移植します。手術後は、植皮を固定しますが、1週間程度の抗生剤投与と安静が必要です。感染を伴った場合や植皮片が動いてしまった場合は、植皮の生着が悪くなります。また、非常に深い火傷で腱や骨が露出したものは皮弁手術(血行を持たせたまま皮膚を移動する)を必要とします。

具体的な治療について

小範囲の局所皮弁や植皮手術であれば局所麻酔手術も可能です。ある程度以上の範囲の手術では、全身麻酔が必要です。入院は、手術前日にしていただきます。入院期間は、場合によりますが植皮手術、皮弁手術ともに3日間-10日間前後の入院期間となることが多いです。

瘢痕癌について

以前、やけどした跡が傷になってなかなか治らない場合には有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)という皮膚癌が発生しているおそれがあり注意が必要です。まずは外来を受診ください。

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